【BSR】家康と刑部の関係性についての超私的解釈~3軸編~
思い立ったが吉日。
ということで表題の通り、戦国BASARAの徳川家康と大谷吉継(刑部)の関係性について、各公式資料から読み解いていきたいと思います。簡単な図解とまどろっこしい説明付き。
ぶっちゃけ家吉担が書いてるのでそういう解釈です。今回は3台本集をはじめとする、所謂3軸世界線での各解釈です。
01:原作3(3台本集)
原作3こと3台本集での二人の関係性を図解するとこんな感じです。
仲良くして欲しい(困惑)
ただここでヤバいのは家康が見ている三成の姿は実のところ三成+刑部で出来ているのに、家康本人がそれをまるで知らないという中央部分です。(以下引用は脚注に引用元明記)
☆まずは分かりやすい家康→刑部『好意的ではない』ことが分かる台詞。
家康「刑部、お前だな…あちこちで企んでいたのは」*1
家康「ワシが言うのもなんだが…。三成は馬鹿という程、融通のきかない男なんだ。こんな卑怯な真似ができるとは思えない。」
☆続いて逆の刑部→家康『嫌い』が分かる台詞。細かく言うと嫌いの中に色んな感情(嫉妬とか)があるんだろうけど3時点ではあんまりその辺フューチャーされてないので『嫌い』でまとめてます。
刑部「絆ではない、ぬしが目障りなのよ。ぬしはわれの癇に障る」(上機嫌)*3
刑部「そうよ、われはぬしが憎い…心の底から憎い…!」(憎しみを込める)*4
『卑怯な真似』をするのは三成ではなく刑部だとナチュラルに考える家康と、絆がどうこうとかよりまず家康自体が嫌いそうな刑部。ここまでは普通に「まあこの二人仲良くはなれんわな」となるんですが、問題はここから。
★『家康が見ている三成=三成+刑部-悪どい部分』解釈について
・『家康が見ている三成』について
家康「だって、三成はそういう男じゃないか! 不器用だし融通はきかないし、生きてるだけで損しているような奴だし…」(ニッコニコ)
家康「元親は心の広い男だ。傷ついた人間を見逃さない。影で損をする者をちゃんと見ている。」*5
家康「わかっている…お前は美しくて、哀しいんだ」(悲しみ)*6
・『家康が見ている三成』の実態が違うことが分かる部分
『家康第1・三成第1は対の内容になっている』という前提*7があってからの両軍初手で雑賀衆へ向かうことについて
家康「これより雑賀衆との契約に向かう。彼らを手に入れた者が戦に勝つと言われているが……」
「三成…お前も同じ事を考えているのだろうな。」*8
刑部「よいな三成、この戦に勝つには雑賀衆の力が必要よ。」
三成「豊臣以外の力を欲するなど、秀吉様への冒涜だ。」*9
・家康が三成と刑部の二人について明らかに格差をつけて考えていることが分かる部分
家康が「三成…脅すとか、騙すとか、利用するとか、それでは駄目なんだ。」と言うに到った、二人の行動についてのコメントの温度差
三成が金吾に脅しをかけたと聞かされた時の
家康「いや、三成らしい力技じゃないか! そうそう、それでこそワシの知る三成だ。」(笑っている)*10
鶴姫ちゃんを刑部が騙したと聞いた時の
家康「なるほど、刑部らしいといったらそれまでだが。」(ため息)*11
で、これに先述の『卑怯な真似』が加わることで、家康の中では『三成=人を騙したりできない率直で純粋な男』『刑部=絆を蔑ろにする卑怯な男』という扱いになっていることが解釈出来ると思います。というかしてください。
でも実際の刑部はみなさんご存知の通り自分の気持ちすら際の際まで理解できない*12、下手すると三成との絆の為に死ぬような男*13な訳で……。
勿論これはメタ的な視点だからこそ分かる関係性なんですが、刑部は家康第1関ヶ原でこうも言います。
刑部「片や憎みに、片や絆に囚われて…。そうとも、ぬしらはよくにておる!」(怒り)*14
ここ未だ解釈に悩んでる部分なんですが、その前が「振り返るが良い! ぬしが紡いだ糸は全てがまことまっさらか?」で、バサマガ家康号で「進んで部下となろうとしたのは自己の利益だけを考える~彼の旧友、石田三成や長曾我部元親は敵となった。」*15という説明があるので、恐らく『絆絆と綺麗事を言う癖に周りに居るのは絆を重んじない者ばかりではないか』って意味合いなんだと思うんですけど、私は刑部じゃないので分かりません(放棄)
しかしながら先述の説を踏まえてメタ的にこの台詞を考えると『三成に拘りすぎて周りの絆が見えていない』って意味合いに受け取れるんですよね。最高か??
ちなみに刑部は長曾我部第1で
刑部「徳川は昔からそうであった。正論を言うわりには中身がない」*16
と言ってるので、一応家康が掲げてる絆云々については正論であるという認識があるんですよね。なので実は原作3刑部って絆という概念自体は否定してないんですよね、恐らく。*17
なので3台本集から考える萌えポイントは
傘下期
・あの家康が『刑部は卑怯な奴』と思うぐらいのことをやった刑部
・家康に悟られないほどに三成の影として行動していた刑部
・刑部自体は家康の言葉を正論だとは思っていた(けど嫌いなのは変わらない)
離反後
家康&三成第1、長曾我部第2
・結局刑部の実際や本質を知らないままに殺す(死ぬ)
刑部第2
・刑部の本音を知ったつもりになってるけど相手が三成かどうか分かってるか不明*18
辺りですね。まあ傘下期の没交渉がほぼ確定*19になっている以上、CPにはなり得ないんですけど原作3以外での3軸派生はワンチャンあるのが面白いんですよね。
02:宴(宴台本集)
ということで次は3の続編宴での家吉の関係性です。
革命が起きました(主語がデカい)
当時のこと知らないので何とも言えないんですが、宴の1ヵ月前に公演が始まった舞瀬戸内の時点で『家康に本心を言う刑部』という形で刑部の本質を知るくだりがあるので、恐らく内部資料的に原作3とは違う関係性が追加されたのだと思います。*20
というかそもそも宴自体家康がマイルドになってるんですよね……悩む姿が節々にあるというか……正直な話原作3みある刑部と三成を正しく捉えてない家康って原作3以外無い感じする*21んですけどどういうことなんすかね……。
とは言え宴で家康が刑部について明言するのは1度だけ*22。
・天下統一ステ限関ヶ原
家康「刑部…豊臣と、三成の名を守ったのはお前だ こんな時に迷惑だろうが、礼を言わせてくれ」(真っ直ぐに語り掛ける/大谷の内政による混乱の少なさを認めて)
刑部「…それは何だ、徳川…その裕(ゆと)った瞳は… 十万の者に慕われるがゆえの雲上か!?」(裕った=余裕がある/雲上=上から目線/心からの怒りを込めて)*23
お前らそういうところあるよね(好き)
このたった一度の往復で分かる家吉の家吉らしさ……周囲の状況も理解しつつも称賛すべきことは敵でもする家康と、その中に含まれる上から目線み(被害妄想も込み?)が滅茶苦茶嫌いな刑部……その時に「十万の者に慕われるがゆえの」って卑下的僻みをわざわざ入れてしまう辺りの刑部の自己評価の低さ……お前らホントそういうとこある……最高……。
取り敢えず宴は家康自体が変化したので、それによって刑部との関係性が変わっています。次は3軸派生として、3と宴の間にあったラスパと3小説家康編での家康と刑部についてです。
03:3軸派生 ラスパ・3小説家康編
まずは3発売のほぼ1年後・宴の1年半前に公開された『劇場版 戦国BASARA -The Last Party-』での関係性。
上図通り家康→刑部めいた台詞はあるんですが、逆が無いので明確な関係性は分かりません。というかラスパ刑部は三成のことしか考えてない感が凄い。
刑部「今の今まで気付かなんだが……ぬしはわれを、われがぬしを思うと同じに見ておったと、いうことか……
この世にこれ以上不幸なものは居らぬと……滑稽なことよ……」*24
天海「何と陳腐な罪滅ぼし 刑部さん、貴方も所詮俗人でしたね……」*25
天海の言う罪滅ぼしって豊臣が滅亡したことなのか信長復活に手を貸したことなのか……恐らく後者なんですけどそうなると三成がこの世全てを憎んで滅ぼしたがったから刑部がどうにかしたってことになるんですけど良いんですかね……??*26
続いて3小説家康編こと『戦国BASARA3 徳川家康の章』。
これはね、皆さんまずこの作品読んでください(懇願)
恐らく原作3の家康はこんな感じでキャラ造形したかったんだろうな……という勝手な目線で見るぐらい、家康が滅茶苦茶に主人公してます。関ヶ原に関してはJEよりこっちアニメ化して欲しかった。
もうとにかく強い、強いというか“強い”。自分の強さも弱さも全部知り尽くしてそれでも理想の為に戦い続ける男。正に太陽の化身、東照権現。私はこれでようやく家康の概要を掴んだといっても過言では無いです。そのぐらい滅茶苦茶格好いい家康が描かれてます。
さて刑部との関係性についてですが、まず家康→刑部の『仲悪くは無さそうだけど刑部の本質までは知らないっぽい』っぽいシーンはこの辺り。
「ようやく会えたな、刑部!」*27
「ぬしと、ぬしの掲げるその嘘が―――“絆”が、憎い!」
「違う! “絆”は……嘘ではない!」 *28
全編通して読むと、このがとはの違いが滅茶苦茶この世界の家吉感あって好きなんですけど、ここ意図的なんですかねどうなんですかね……。
ちなみに原作3家康青関ヶ原ベースなんでこの後刑部は死ぬんですけど、その後の地の文が『裏切りと逃亡が続出する西軍にあって、~妖将の隠れた半面を示している。』 *29ってあるので多分家康は刑部の本質知らないっぽいんですよね……。刑部が家康に暗殺仕掛けたことが判明したくだりでも家康はまあこの戦国の世なら当然のこと……みたいな扱いしてる *30し……。
さて今度は刑部→家康の『そこまで好印象では無さそうだけど三成が駄目な奴だったら降ろうとしてた』はもうまんまこの一文があります。
無謀な水攻めを命じたのは自分ではない、などと言って己一人を護ろうとしたならば、吉継は直ちに大坂城を出て、はるか関東を進軍中の徳川軍へと、降るつもりだった。 *31
実はこの前に刑部が滅茶苦茶冷静で客観的な奴だって話があってからのこれなので、一応敵方総大将の軍師ポジに居るのに降ってもどうにかなる(どうにかできる)ってぐらいには家康と交流があったと考えるのが普通かなとは思うんですがどう考えても推しCPの贔屓目が否めない。
まあ3小説家康編での家康と刑部の関係性が分かるのは以上2点ぐらいしかないんですが、家康も三成も刑部も誰一人として何も間違っていないが故に殺し合うっていうとても悲しくてとても美しい関ヶ原が読めるので、この3人の担当の方は是非一度読まれてみてください。後、家康を指して『穢土の王』って言うのもここが元ネタなんで気になる方は読んでみてください。とにかく読んでください。(ゴリ押し)
ということで今回は3軸の原作3・宴・ラスパ&3小説家康編での家吉の関係性をまとめてみました。こうしてみると原作3だけがかなり異質な感じしますね……*32
次は4軸というか4&皇での家吉解釈ですね……原作3発売後に起こった関係性の革命が完全に影響している対峙台詞と家康ドラマルートとか言う魔境……後バサマガ左近号のアレ……私が家吉にドハマりした元凶について果たして何処まで正気を保つことが出来るのか!!111!!!1! 次回もお楽しみに!!!!11!!1!11!!!1!!!(ヤケクソ)
*1:3台本集p.36
*2:3台本集p.235
*3:3台本集p.70
*4:3台本集p.80
*5:以上3台本集p.23
*6:3台本集p.36
*7:3台本集p.19およびp.43
*8:以上3台本集p.19
*9:以上3台本集p.43
*10:3台本集p.21
*11:3台本集p.23
*12:3台本集p.65~71第1ルート
*13:3台本集p.71~77第2ルート
*14:3台本集p.26
*17:先述の「絆ではない、ぬしが目障り」、家康第1での「鋏で絆を切り取る者。穢れた糸を結び直す者。」、刑部第1「徳川は絆をかかげるが、絆など、一つの不幸で容易く崩れる。」など
*18:3台本集p.76~77
*19:先述の通り完全に家康が刑部を嫌っているので
*20:舞バサの話はまた別記事で書きます
*21:原作3のほぼ1年後に公開されたラスパの時点で家康は刑部の重要性を理解してるので
*22:多分
*23:宴台本集p.251
*24:ラスパ刑部死亡シーン
*25:↑の後
*26:三吉三担さんは台本が付いてるらしいラスパ限定盤買ってみると多分損はしないと思います
*27:3小説家康編p.397
*28:3小説家康編p.399
*29:3小説家康編p.400
*30:3小説家康編p.253~257
*31:3小説家康編p.194
*32:いや3小説家康編も刑部の本質を分かってないって意味では同じなんですけど、Disが無い分かなりマシですね……3小説家康編の家康はそんなDisしない清濁併せ呑んで清だけ吐き出せる太陽なんで(過激派)